青鈍

::: a blue creature in your heart :::

炎のつぶ

炎のつぶ 炎のつぶがパラパラと落ちて私の傘が燃えていく木々の梢にも火がともりあたりは昼のよう明るく私の道行を助けてくれる 熱風に焼かれ凝った血灰になった骨燃えがらの人間から昇る魂の煙 熱で割れた蛍光管が光の矢となって路面の石油に火をつける 固…

血を許されざる者

血を許されざる者 心と心臓が死んで血は緑色 私は空の体であなたの愛を夢見ている 誰も呼ばない私の名前誰も知らない盲いた瞳 あなたから純潔を奪い自らを偽って私は生者の赤い血を夢見ている けして凍らぬ私の心そして愛あなたの腕の中で私が夢見ていたもの…

ショウの幕切れ

ショウの幕切れ 同じサイズの靴がぶちまけられた狭い玄関私と彼女の小さな部屋 転がったマニキュアの瓶気の抜けた頬紅の刷毛女を彩る使いふるしの俗物にまみれ私と彼女は座っている今日一日をやりすごすため 灰色のアルコール虹色の煙あふれでる白銀の涙今日…

まどろみ

まどろみ 私は道をたどり世界の体内に入る空気は重く息苦しいが私は少し安心する雨がやんでやがてバスが来る私は移送されるただひたすらに世界の中を闇の中もバスは走る 目の前バスのフロントガラス越しに見える景色は雨上がりとてもきれい濡れた路面にヘッ…